梅雨前から暑くなる時期は、お弁当作りで少し気をつけたい季節です。
まだ真夏ではなくても、気温や湿度が上がると、いつも通りのお弁当でも衛生面が気になりやすくなります。
特に大切なのは、冷ましてから詰めること、汁気を減らすこと、保冷すること、作り置きの扱いに気をつけることです。
怖がりすぎる必要はありません。
でも、暑くなる前から基本を少し見直しておくと、子どもに持たせるお弁当も安心しやすくなります。
この記事では、保育園栄養士の視点から、梅雨前のお弁当で家庭でもできる食中毒予防の基本をまとめます。
遠足や園のお弁当日、暑くなる時期のお弁当作りの参考にしてください。
梅雨前のお弁当は「いつも通り」から少し見直したい時期
春のお弁当作りに慣れてきたころ、少しずつ気をつけたいのが梅雨前から暑くなる時期のお弁当です。
まだ真夏ではなくても、日中の気温が上がったり、湿度が高くなったりすると、お弁当の扱い方も少し変わってきます。
家庭では毎日のことなので、あまり神経質になりすぎると大変です。
でも、暑くなる前から基本だけ押さえておくと、お弁当作りはかなり安心しやすくなります。
「いつも通りで大丈夫かな?」と少し気になる時期こそ、冷まし方、汁気、保冷、作り置きの扱いを見直しておきたいですね。
保育園でも、暑くなる時期は衛生面の確認が少しずつ増えていきます。
調理室の温度管理や食材の扱い、提供までの時間など、普段から気をつけていることでも、気温が上がる時期はより慎重になります。
遠足や行事でお弁当が必要になると、保護者の方からも「保冷剤は必要ですか?」「どこに置いておけばいいですか?」といったことを気にされることがあります。
お弁当は作った直後だけでなく、食べるまでの時間や置き場所によっても状態が変わります。
まだ真夏ではない時期だと、「いつも通りで大丈夫かな」と思いやすいんですよね。
でも、梅雨前からは気温も湿度も少しずつ上がっていくので、早めに見直しておくと安心です。
まず大切なのは、冷ましてから詰めること
お弁当作りでまず大切なのは、ごはんやおかずをしっかり冷ましてから詰めることです。
温かいままふたをすると、お弁当箱の中に湯気がこもります。
その湯気が水分になり、お弁当の中が蒸れやすくなります。
梅雨前から暑い時期は、この「温かい」「水分がある」という状態をできるだけ避けたいところです。
家庭では朝の時間が限られているので、完全に理想通りにするのは大変ですよね。
それでも、次のような工夫なら取り入れやすいと思います。
・ごはんは広げて冷ましてから詰める
・おかずは皿やバットに出して冷ます
・お弁当箱に詰めたあと、すぐにふたをしない
・清潔な箸やトングで詰める
・冷めてからふたをする
「お弁当箱に入れてから冷ませばいい」と思いがちですが、おかずごとに冷ましてから詰めた方が冷めやすいです。
ここは、お便りにも書きやすいポイントです。
短く書くなら、
「ごはんやおかずは、冷ましてから詰めると安心です」
くらいの言い方でも伝わりやすいと思います。
汁気の多いおかずは傷みやすさにつながりやすい
梅雨前のお弁当では、汁気にも気をつけたいです。
煮物、和え物、炒め物の水分、ソースやたれが多いおかずは、お弁当の中で水分が出やすくなります。
水分が多い状態は、暑い時期のお弁当ではできるだけ避けたいポイントです。
汁気を完全になくす必要はありません。
でも、お弁当に入れるときは少し工夫すると安心しやすくなります。
・煮物は汁気を切ってから入れる
・和え物は水分が出やすいものを避ける
・ソースやケチャップは必要なら別添えにする
・カップや仕切りを使って、他のおかずに水分が広がらないようにする
・生野菜や果物はよく洗い、水気をしっかりふく
特に子どものお弁当は、彩りでミニトマトや果物を入れたくなることもあります。
その場合も、水気を残さないことが大切です。
保育園の給食でも、暑い時期は水分の多いもの、冷却や保管が難しいものにはいつも以上に気を使います。
家庭のお弁当でも、「おいしそう」だけでなく、「食べる時間まで持ちやすいかな」という見方があると安心です。
保冷剤と保冷バッグは早めに準備しておくと安心
梅雨前から夏にかけては、保冷剤や保冷バッグも早めに準備しておくと安心です。
朝作ったお弁当を、食べるまでずっと涼しい場所に置けるとは限りません。
通園・通学・遠足・外出など、持ち歩く時間が長くなるほど、保管環境は大切になります。
保冷剤は、お弁当の上に置くタイプ、保冷バッグに入れるタイプ、ふたに保冷剤を入れられるお弁当箱などがあります。
家庭で使いやすい形を選べば十分です。
大切なのは、「暑くなってから慌てて用意する」より、梅雨前に一度見直しておくこと。
・保冷剤は足りているか
・保冷バッグは汚れていないか
・お弁当箱のふたはしっかり閉まるか
・食べるまでの時間が長くないか
・置き場所は暑くなりすぎないか
このあたりを確認しておくと、お弁当の日の朝に慌てにくくなります。
ただし、保冷剤を入れていれば何でも大丈夫、というわけではありません。
保管する場所、食べるまでの時間、おかずの内容によって条件は変わります。
暑い場所に長く置く場合や、食べるまで時間がかなり空く場合は、いつもより傷みにくいおかずを選ぶ、汁気を減らす、無理な作り置きを避けるなど、全体で考えることが大切です。
作り置きや前日の残りを入れるときの考え方
忙しい朝に、作り置きや前日の残りを使いたくなることはありますよね。
家庭のお弁当では、とても現実的な工夫だと思います。
ただ、梅雨前から暑い時期は、作り置きの扱いには少し注意が必要です。
前日に作ったものを入れる場合は、冷蔵庫で保存し、朝にしっかり再加熱して、冷ましてから詰めるのが基本です。
温め直したあとに、また温かいまま詰めてしまうと、結局お弁当箱の中で蒸れやすくなります。
作り置きで気をつけたいのは、次のようなところです。
・常温に長く置いたものは使わない
・冷蔵保存していたものを使う
・朝に十分再加熱する
・再加熱後はしっかり冷ましてから詰める
・においや見た目がいつもと違うものは入れない
・水分の多い作り置きは暑い時期のお弁当には無理に入れない
また、市販の冷凍食品には「自然解凍OK」と書かれているものがあります。
その場合は表示に従って使えますが、すべての冷凍食品が自然解凍できるわけではありません。
表示を見ずに「冷凍のまま入れれば保冷になる」と考えるのは避けたいところです。
家庭では、作り置きを上手に使うことも大事です。
でも、暑くなる時期は「作り置きだから楽」だけではなく、「お弁当に向いている状態か」も見ておくと安心です。
子どものお弁当で気をつけたいこと
子どものお弁当では、衛生面だけでなく、食べやすさも大切です。
大人なら少し食べにくいものでも何とかできますが、子どもはこぼしたり、手で触ったり、食べるのに時間がかかったりします。
梅雨前から暑い時期は、食べるまでの時間が長くなりすぎないこと、食べる場所が暑すぎないことも気にしておきたいです。
子どものお弁当では、次のような工夫が使いやすいです。
・ひと口で食べやすい大きさにする
・汁気が出やすいものを入れすぎない
・手で直接触る回数を減らせる形にする
・ピックや飾りは年齢に合わせて使う
・食べ慣れているものを中心にする
・暑い時期は無理に新しい食材へ挑戦しすぎない
遠足や行事の日は、子どももいつもより落ち着かないことがあります。
見た目をかわいくしたい気持ちもありますが、暑い時期は「安全に食べやすい」がいちばん大切です。
手の込んだお弁当でなくても大丈夫です。
食べやすくて、時間まで安心して持たせやすいお弁当なら、それだけで十分だと思います。
保育園栄養士として感じること
保育園で仕事をしていると、気温が上がる時期は、衛生面への意識が自然と高くなります。
食材の保管、調理後の扱い、提供までの時間、器具の清潔さ。
普段から気をつけていることでも、暑くなる時期はより慎重になります。
昔は、今ほど細かく言われていなかったこともあったかもしれません。
でも今は、食中毒予防の考え方が広がり、家庭でも保育現場でも「暑い時期はいつも通りでは済ませにくい」と感じる場面が増えています。
これは、怖がらせたいということではありません。
子どもたちが安心して食べられるように、できることを先に整えておくという感じです。
家庭でも同じで、完璧なお弁当を作る必要はありません。
冷ましてから詰める。
汁気を減らす。
保冷する。
作り置きは扱いに気をつける。
この基本だけでも、暑くなる時期のお弁当はかなり見直しやすくなります。
お便りに書くなら、こんな言い方も使いやすいです。
「気温が高くなる時期は、お弁当の衛生面にも気をつけたい季節です。ごはんやおかずは冷ましてから詰め、汁気を減らし、必要に応じて保冷剤や保冷バッグを活用しましょう。」
家庭に伝えるなら、このくらいで十分だと思います。
強く言いすぎるより、「できるところから見直しましょう」という言い方の方が受け取りやすいです。
まとめ|梅雨前のお弁当は基本を押さえるだけでも変わる
梅雨前から暑くなる時期のお弁当は、少しだけ「いつも通り」を見直したい季節です。
大切なポイントは、次の3つです。
・ごはんやおかずは、冷ましてから詰める
・汁気を減らし、水分が広がらないようにする
・保冷剤や保冷バッグを使い、食べるまでの環境を考える
作り置きや前日の残りを使う場合も、冷蔵保存、再加熱、冷ましてから詰めることを意識したいですね。
お弁当作りは、毎日のことだからこそ、完璧を目指すと大変です。
でも、梅雨前に基本を見直しておくと、暑くなってから少し楽になります。
怖がりすぎず、でも大切なところははっきりと。
子どもが安心して食べられるお弁当を、家庭でできる範囲で整えていけたらいいですね。


コメント